今年の夏はどこに登山するんですか?
・大雪山でまだ登ったことのない山にチャレンジしますよ!
・いろいろ迷いましたが、緑岳にしました!
この夏、どこを目指すか?
登山ステップアップ作戦終了後、何だかんだで登山の機会が減っています。
せっかくスキルアップしたのに、時間が取れなくてスキルダウンしかけています。
そこで、一念発起して、今年の夏はこれまで経験したことのない登山ルートで大雪山系に挑戦しよう、そう心に決めました。
で、どこを目指すか。。。。なかなか決まりません。
1泊2日のテント泊をするつもりなのですが、大雪山系の場合、1泊2日の行程だと辿り着けるテント場が限られてきます。通常なら黒岳、裏旭、白雲岳といったところではないでしょうか。
黒岳、裏旭に泊まるとして、1泊2日の行程で辿れるルートはほぼ経験済みです。そうなると、白雲岳が俎上に登ってきます。
白雲岳野営指定地に向かうルートは大きく3つあります。
- 旭岳or黒岳から入り北海岳を経由して南下パターン
- 銀泉台から赤岳を経由するルート
- 大雪高原温泉から緑岳を経由するルート
このうち、1は既に何度か経験しているので、今回は除外。
2と3が未経験になります。
3の緑岳は急登が続くチャレンジングな山のようで、怖いもの見たさもあり気になります。
ただし、温泉までは長い砂利道を車で登るらしく、ちょっと心配です。
そんなこんなで直前まで悩むことに。また、天候も予報はイマイチで、結局前日まで悩むことになりました。
Day1 緑岳山頂、そして白雲岳野営指定地へ
前泊地から緑岳登山口へ
心配された天候は前泊地ではザーザー降り状態。しかし、緑岳はてんくらでB。一般の天気予報も晴れ傾向が強く出ていたので、これは行くべし!ということで、早朝に濡れたテントを片付け、緑岳の登山口である大雪高原温泉へ向かいます。
大雪高原温泉はなかなかなロケーションにあります。
大雪山国立公園のど真ん中、しかも裏玄関とも言うべき東側にあります。
上川町の層雲峡からさらに先に進み、国道273号で大雪湖を回り込んで行きます。途中から長い砂利道に入り、石狩川の源流に沿って、奥へ奥へと入っていきます。
大雪湖周辺は数十年前に来たことがあり、超久しぶりなので景観を楽しみたい気もしますが、時間がないので、どんどん進みます。
この砂利道、現代社会ではかなり珍しい昔ながらの砂利道で、ほぼ一車線、すれ違いには待避スペースを使う、という感じです。道の凸凹も激しく、写真を撮る余裕は全くありませんでした!
さらに、早朝だったこともあるのか、沿道に鹿が大量に群居。カーブを曲がるたびに登場し、ちょっと驚いた顔をした後、車の進行方向に走り去っていきます。途中から面倒になったので、カーブのたびにクラクションを鳴らし、時速10〜20kmでゆっくりと進んでいくことにしました。
そんなこんなで、気持ち的にはかなり長い時間、砂利道を進み、やっと登山口に到着しました。
この日は、お盆休み直後、そして天候がそれほど良くないということで、車の数は少なめでした。
登山開始
着替えをし、装備を整えて、朝7:15に登山口を出発します。しっかり入山届を書いていきます。
歩き出してすぐに、高原温泉の熱源となっている温泉の噴気孔が見えてきます。
これはかなり迫力がある眺めです。
この周辺は、地底からの熱で、あちこちから煙が上がっています。
下山後にゆったりと温泉に浸かることを夢見ながら、この辺りを通過していきます。
しばらく歩くと標識があります。
緑岳まで4.5Km、そしてヒグマ出没注意!
結構な距離があります。また、下調べしたところでは、緑岳はまず樹林帯を急登、その後花畑を通過しながらハイマツ帯へ、そして岩陵帯の急登を超えて山頂に至る予定です。
山頂まで標準では4時間程度ですが、5時間はかかるものと余裕を持ちんがら歩を進めていきます。
下の写真にもあるとおり、今回のコースは「大雪山グレード」では3から4に当たります。しかも4の区間の方が長い厳しいコースです。覚悟して臨みます。
急登につぐ急登
登山道は、開始早々にこのような感じの急登となります。階段がついているのは助かるのですが、その段差が結構大きく、上りはともかくとして下りの際の負担が気になります。
時折小雨がぱらつく中、黙々と登って行きますが、なかなかしんどいです。ゆっくりしたペースで進み30分ほどで「見晴台」というポイントに着きます。この名前とは裏腹に、この日は小雨まじりの天候のため、ほぼ見晴らしのない状況でした。下りの展望に期待です。
緑岳山頂へ
見晴台からも、しばらく急登が続きます。徐々に標高が上がってきて、木々の高さも低くなってきます。
どこまで急登が続くのかと思いながら、一歩ずつ登っていくと、第一花畑に到着しました。
8月中旬だと、お花のピークは過ぎているのですが、チングルマの綿毛がいっぱいあり、花畑のスケールの大きさが想像できます。次は、お花の時期に来てみたいと思いました。
この日は、雲が立ち込めていたので、眺望は今ひとつでしたが、このあたりからは木道があってとても歩きやすくなっています。
木道に沿って歩いていくと、第二花畑に到着です。ここもお花のピークは過ぎていますが、途中途中可憐なお花を見ることができます。
第二花畑を後に進んでいくと、木道はチップを敷いたような道に変わります。そして、しばらく歩いていくと、関所のような岩塊にぶち当たります。
突如現れたこの大岩。テント泊装備を詰め込んだザックを背負いながら登るのは一苦労でした。登るのは勢いでなんとかなりましたが、下りが心配です。
この岩塊を越えた後は、徐々にハイマツ帯に入ります。数日前にヒグマが出たという情報もあり、超緊張しながら、笛を吹いたり、大声を出したり、歌ったりしながら進みます。
そんな訳で、この後はあまり写真を撮っていません。
長いハイマツ帯をやっと抜けると、今度は長い岩陵帯になります。ここは九十九折りの繰り返しで、精神的にかなり厳しいポイントでした。歩きづらいことこの上なく、なかなか進んでいる感を持てず、心が折れそうになりました。
スマートウオッチの地図を何度も確かめながら、あと何回折り返せば終わりだ、、、と自分に言い聞かせ、なんとかかんとか突破しました。
この長い岩陵帯を超えると、緑岳山頂に到着です。
山頂はガスがかかり展望は今ひとつでしたが、登山口から自力で登ってきた今回の山行の厳しさと達成感を噛み締めながら昼食のカップラーメンを堪能しました。
白雲岳野営指定地へ
昼食休憩後、今度は登ってきた反対側の斜面を下って行きます。
登山道は、お鉢平周辺のような雰囲気で、赤茶けた小石が敷き詰められた道という感じでしょうか。
この下り坂からは、目的地である白雲岳避難小屋が見えます。ゴールを目で捉えると、俄然やる気が出てきますね!
この下り坂を着実に下っていくと、避難後やへの分岐点にさしかかります。
この分岐点をそのまま真っ直ぐ進むと、赤岳に至ります。
健脚な方々は、緑岳、赤岳、白雲岳を同時制覇して、「トリコロール達成」を目指したりするようですが、私は体力的な自信がなかったため、予定どおり、テント場へ向かいます。
分岐後、結構な急斜面を下って行きますが、ここで巨大な雪渓にぶち当たります。
8月のこの時期、ここにこれほど大きな雪渓が残っているとは思ってもみませんでした。
雪渓にはロープが渡してあり、道はずれの心配はありません。暑さで雪が緩んでいるので、踏み抜きが気になりますが、ハマることもなく無事渡切りました。
その後は、ちょっとの距離で避難小屋に到着です。
無事、避難小屋に到着し、受付で宿泊の手続きをします。テント泊の場合も小屋内の方にそのことを告げ、料金を支払います。また、協力金を支払うと、白雲岳特製手拭をもらうことができます。今回もお金を納め、2本目の手拭をゲットしました!
その後は、早速テント設営に取り掛かります。この日は、お盆明けで、天候不順ということもあり、テント場はガラガラ、2張り目でした。
テント設営後、水場に行き、水を補充しましたが、予想どおり枯れ気味な状態で、水集めに一苦労しました。夕方は雪解け水が流れるので、まだ良いのですが、これまでの経験だと朝方はかなり枯れた感じになりそうです。8月中旬の白雲岳の水場は注意が必要ですね。
Day1 まとめ
思えば、私のこれまでの大雪山登山は、旭岳や黒岳が入り口になっていて、ゴンドラやロープウェイでかなり標高を稼いでから自らの足で登るというパターンでした。
今回の緑岳は、登山口から自分の力だけで本格的な高山を登っていくという初めての経験をしました。脱初心者したつもりでしたが、体力のなさ、技術の不足を痛感しました。まだまだ中級者とはいえない程度の実力であることが分かりました。
その一方で、登山口から登ることで、山の姿の変化を感じることができました。樹林帯からハイマツ帯、そして岩陵帯を経てピークへ。自らの足で登ってこそ、そうした変化を体で感じることができるのでしょう。
そんな訳で、初日は大いに体力を消耗し、夕食として、定番のハンバーグカレーを食べ、早々に眠りに入りました。
夜晴れていたら、星空を撮影したいなぁ、そんなことを考えていたら、あっという間に気を失いました。