・白雲岳ってどんな山なのかな?
・白雲岳キャンプ場はどんな感じ?
・ゼブラ絶景は見えるのかな?
・大雪山系の白雲岳をガイドします
・白雲岳の野営指定地もリポート
・圧倒的なゼブラ雪渓も見れましたよ!
登山ステップアップ3の集大成、1泊2日の縦走
前回までで、テントを購入し、予行演習を経て、裏旭野営指定地での山中テント泊を達成しました。
初めてのテント泊は不安だらけで、しかも親子登山ということもあり、緊張の連続でした。しかし、自らの足で山に登り、そしてテントを張り、静まり返った山中で夜を過ごす、といった非日常に大変感銘を覚えました。
そして、帰宅後すぐに、次なる目標選定に入りました。
以前ご紹介したように、大雪山系でテント泊のしやすい場所は限られています。
裏旭の次に初心者が挑戦できそうなところは、黒岳or白雲岳になります。
黒岳は以前利用した山小屋、黒岳石室のすぐ横に設けられたテント場になります。テント場は使ったことがありませんが、どうせなら別な場所に行ってみたい、そういう思いに駆られます。
そうなると答えは一択、
そう、白雲岳野営指定地になります。
ということで、目標は自ずと決定しました。
白雲岳とは?
白雲岳は大雪山系の真ん中近くにある、標高2230mの山です。
この山は大雪山の中でも奥の方にあるため、テント泊にはもってこいのシチュエーションです。
そして、何といっても雪渓が残る時期には、「ゼブラ」が見渡せるロケーションとなっており、とても魅力的です。
白雲岳に迫るルートは3つほどあり、
- 旭岳から北海岳経由ルート
- 黒岳から北海岳経由ルート
- 銀泉台から赤岳経由ルート
が主なものとなっているようです。
旭岳ルートは前回通ったルートの間宮分岐をそのまま先に進んでいくルートで、前回とかなりかぶるので、選択肢から外します。そして、銀泉台ルートは登山行程としては短くなるようですが、何しろ、その銀泉台に行くのが遠いです。あまりに遠いので今回はパスします。
そうなると自動的に黒岳ルートということになります。黒岳は石室に小屋泊をしており、馴染みの山です。このルートをたどり、白雲岳へアプローチすることにします。
山行経路を考える
具体的な山行計画としては、
- 黒岳ロープウェイ、リフトを使い、黒岳に登頂
- 黒岳石室に進む
- 北海岳に登頂
- 北海岳から下り、白雲岳分岐へ
- 1日目はそのまま野営指定地へ下りテント泊
- 2日目に白雲岳登山
- 往路を戻り、黒岳を経由して下山
という経路で考えました。
この計画は、初日の行動距離が長い点がやや問題ですが、黒岳はロープウェイを活用して登るので、体力を温存できそうです。また、途中の黒岳石室で休憩や水分補給、トイレを活用できるのも、初心者的には魅力的です。
いざ黒岳へ
黒岳に向けて出発
黒岳には前回登っているので、ポイントを知っていることもあり、余裕を持って登ることができます。
しかし、今回は白雲岳のテント場まで進まなければならないので、行動開始時間をかなり早める必要があります。そこで、長男を叩き起こして早朝自宅を出発します。
そうです!今回も親子登山で行きます。長男は最初渋っていましたが、「最高に景色がいいんだよ!」と言って説得し何とか一緒に登ることになりました。
黒岳山頂へ
黒岳登山のスタートはロープウェイとリフトから。多少は慣れてきたので、特に問題なく7合目まで一気に上がります。この日、山裾の天候はかなりの良好で、黒岳山頂も見渡せるくらいでした!
少し霞んでいますが、ここまでクッキリと山頂が見えるのも珍しいのではないでしょうか。
慣れた足取りで、ロープウェイそしてリフトに乗り、7合目まで一気に上がっていきます。
7合目からの登山道もしっかりと進んでいきますが、前回に比べて、荷物が重いせいもあり、ペースは上がりません。やはりテント泊クラスの重量は、登山ペースに大きく影響してきます。ここを計算に織り込んでおかなければ、日程が正確に計算できなくなります。結構これは重要なことだと考えます。
荷物の重さと格闘しながらも、着々と歩みを進め、山頂に近づいたサインである、まねき岩がクリアーに見えてきました。この岩もガスに覆われることが多いので、クッキリ見えてとても嬉しかったです。
このまねき岩が見えてきたら、もうすぐ山頂です。
つづら折りの登山道も厳しさを増してきます。山頂直前になると、木が低くなってくるので、はるか北大雪の山々も見えるようになってきます。写真にもお花が結構写っていますが、7月下旬のこの時期、大雪山は高山植物が咲きほこるシーズンとなります。本格的なお花畑は後ほど登場しますので、お楽しみに!
そうこうしているうちに頂上に到着です。やはり以前登頂しているので、今回は気持的にも余裕を持って登ることができました。
頂上に着いてみると、それまでとは打って変わって、ガスが立ち込める天候となっています。山の天候の変わりやすさが実感できる展開です。
ここで大休憩を取ることとして、食事、お馴染みのカップラーメンとおにぎりですが、腹ごなしをしました。
休憩後は黒岳石室に向かって下っていきます。
黒岳の向こう側は、前回も同じ気持ちになりましたが、やはり気持ちが切り替わります。それまでの登山道の険しさと比べ緩やかな道、荒涼として広大な景色、そして美しい花々。
あらゆる意味で普段とは別世界で、心が洗われます。
この区間では高山植物が美しく咲き誇っていました。種類も名前もよく分からないので、写真を撮り逃したものも多いのですが、このカレンなお花はエゾツツジというみたいです。
常々、もっと花の名前を知りたいと思っているのですが、脳年齢が高くなってきているので、なかなか覚えられません。でも、このお花きれいですね!
そんな穏やかな気持ちで歩いていると、あっという間に黒岳石室が視界に入ってきます。行く手には雪渓が横たわり、奥には更に大きな雪渓がはっきりと見えます。既にテントが沢山張られているのが分かります。
黒岳石室から北海岳へ
黒岳石室では、飲み物を購入して休憩をとります。ここは、夏の時期、管理人さん常駐なのでとても安心できる山小屋です。子供と一緒にコーラをガブ飲みしました。
さあ、ここから先は、いよいよ未踏のルートを歩んでいきます。
黒岳石室の次の分岐点は北海岳になります。かなり長い道のりになりますが、最初は緩やかな下り道が続きます。その道中ではチングルマが素晴らしい花を咲かせていました。
ここまで盛大に咲いているチングルマを見るのは初めてです。先日、旭岳の裾合平で見たのチングルマよりも美しく感じました。
お花を堪能しながら下り道を進んでいくと、大きな川にぶつかりました。
お鉢平から流れ出した水が川となっています。渡河ルートが整備されていて、注意して進めば水に浸かることなく渡り切ることができますが、子供は大丈夫かちょっと心配です。
でも、ポールをうまく使いながら、何とか対岸に到達できました。
結構大きな川だったので、少々焦りました。
川を越えると、一転して登りになります。
最初は緩やかに川沿いを進んでいき、川を離れるあたりから急に傾斜がキツくなります。
そのあたりで、妙な鳴き声の鳥を見つけました。
その場では全く分かりませんでしたが、どうやらノゴマという鳥のようです。
鳴き声が鋭く、印象に残る鳥でした。喉元が赤いのが可愛いですね。
この後、川沿いを離れ、どんどん傾斜が厳しくなります。私的には、この登りがかなりきつかったです。距離的にもかなりあるので、足に限界を感じてくる状態になりました。
そして、苦しみながら、何とか北海岳に到着しました。お鉢平が一望できる分岐点です。
子供もかなり足にきているようで、大変そうでした。
ガスに覆われていたため、眺望は今ひとつでしたが、ここに無事到着できたことで、すごく安心しました。
この先は、ついに白雲岳に向かいます。ここに至るまで思いのほか時間がかかったので、到着時間が少し心配です。
(つづく)